新・土と生き物

ワラジムシ亜目の単系統性

2025-02-27 15:51:39
2025-02-27 19:10:45
目次

午前

  • 会議

午後

  • PCR産物精製

  • データ整理

  • 資料作成

ワラジムシ目の高次系統解析に関する論文。

Thomas Thorpe J.A. (2024) Phylogenomics supports a single origin of terrestriality in isopods. Proceedings of the Royal Society of London. Series B 291: 20241042.

ゲノムデータ(トランススクリプトームも含む)、11の遺伝子領域、そして、18S遺伝子領域で系統樹を作成し議論している。

バイオインフォマティックスの詳細は分かっておらず、また、ワラジムシ亜目以外の関係性も真面目に読んでいないレベルでの感想。

まず、ワラジムシ亜目の系統関係については、分子系統解析の結果から単系統ではないことが指摘されていた。

例えば、Dimitriou et al.(2019)は、NAK、PEPCK、18SrRNA、28SrRNAを用いて系統解析を行い、フナムシ科が他のワラジムシ亜目から大きく離れることを指摘している。

しかし、本研究で用いたゲノムデータ(Phylogenomic dateset)や11遺伝子(Marker-gene dataset)に基づく系統解析ではワラジムシ亜目は単系統であることが示された。本研究で得られた系統樹ではDiplocheta(フナムシ科を含む)はTylida(ハマダンゴムシ科を含む)と姉妹群の関係となり、ワラジムシ亜目の基部にきている。

そして、興味深いのが、11遺伝子の中で最も配列数が多い18Sのみで系統樹を作成すると、これまでに指摘されていたように、ワラジムシ亜目は単系統ではなく、3つのグループに別れる。

(解析のところがイマイチ理解できていないが)この異なる結果は、18SrRNAで系統解析を行うとLong branch attractionが生じることが原因であると指摘している。

Long branch attractionは、一部の系統で進化速度が速い(変異が多く蓄積する)ことで、実際には遠い関係性のものが系統樹では近くに位置したり、逆に、実際には近縁なのに遠くに配置されてしまう現象である。

何度も書いたようにバイオインフォマティックスが正確に理解できていないので、この結果をどこまで信用しているのか分からない。また、本文中にはいつくかの分類群でデータが欠けていることも指摘している。

しかし、海から陸に上がったLigiaが新しい環境に進出し急速に進化が起こってlong branchになることは納得がいく気もする。

【引用】

Dimitriou A., Taiti S., Sfenthourakis S. (2019) Genetic evidence against monophyly of Oniscidea implies a need to revise scenarios for the origin of terrestrial isopods. Scientific Reports, 9: 18508.

この記事を書いた人

SK

ダンゴムシ・ワラジムシを研究しています! https://diversity.jpn.org/kara/index.html