新・土と生き物

塩基配列データに基づくフナムシ属の種分類

2025-08-25 19:15:21
2025-08-25 19:16:45
目次

午前

  • 資料作成

  • DNA抽出

  • PCR実験

午後

  • 論文書き

  • 電気泳動

  • 資料作成

学生×2が、PCR、シーケンスで不可解な結果が出ているので、自分のサンプルを合わせて実験。

1名は何となく状況が判明。

もう一名はシーケンスを試さないと分からない。

ハワイからフナムシ属を記載した論文。

Santamaria C.A., Bork A., Larson A.J., Link D.J. (2025) Description of a novel Ligia species from Nihoa, a remote island in the Papahānaumokuākea Marine National Monument. PeerJ, 3: e19373.

筆頭著者は、これまでもたくさんのフナムシ属に関する論文を発表している。

塩基配列ベースで分類を進めているのが、この論文では、下記の基準が満たされた場合に新種とすると明確に書かれている。

  • 対象する集団の単系統性が高く支持される(BS > 90、BPP > 95)。

  • 対象とする集団内の遺伝的変異(COIのK2P)が1%未満。

  • 対象とする集団と姉妹種とのK/θは4よりも大きい。

  • 遺伝子ベースの種分類(GMYC、PTP)で独立した種と推定される。論文中には(4)、(5)として2つに分けて書かれているのが、結局、このことを言っている気がするけど、、、。

賛成するかは、ひとまず置いておいて、フナムシ属の種分類では、一つの基準になりそう。

ただし、記載に際しては、塩基配列データだけでなく、形態の差異にも触れている。

あと、FASTACHAR v0.2.4というプログラムを使って、新種の「diagnostic nucleotide positions」というのを報告している。

この記事を書いた人

SK

ダンゴムシ・ワラジムシを研究しています! https://diversity.jpn.org/kara/index.html